最近思う、共謀罪についての一つの疑問

共謀罪、テロ等準備罪が話題になってますけど、根本的に法案内容自体は最低限度の法治国家として必要な基準を満たしていないので、法案が良い悪い以前に日本で立法するだけの価値がないことは疑いようのない事実。それ以上でも以下でもないのでこれ以上言うことはありません。定義が曖昧な法律は現代法治国家では存在してはならないのが常識なのです。
よく引き合いに出される大日本帝国下の治安維持法ですが、これが引き合いに出されるのは言論弾圧に利用された側面もありますが、もっと大切なのは『もともと革命分子の活動が顕著だった共産主義者の規制が始まりの法律であって、その後定義が曖昧なために容易に拡大解釈され、それが利用された』という事実です。

治安維持法の一番の問題は定義の曖昧さなんです。だから共謀罪法案がそもそもの法律として落第なのです。

 

閑話休題。疑問というのは、そういう問題外な惨状を隠すための政府の様々なウソや詭弁を見ているうちに、別の疑惑を持った次第であります。

 

疑惑の始まりは、共謀罪法案が必要だという理由にしている条約について調べて考えたことからです。

政府が批准に必要だと言っている条約とは、国際組織犯罪防止条約、通称パレルモ条約です。この条約を調べれば調べるほど、政府の詭弁があっという間に露わになって結構困惑するレベルです。

まず、パレルモ条約の批准に立法が必要と言ってますけど、条約が求めるのは国内法で対応可能な法令による規制であって、既存法で規制できるのであればそれでもよく、共謀罪の新設が絶対要件ではありません
特に日本の法体系は刑罰法定主義の上に未遂について厳しいので共謀罪を作るには共謀罪法案単体で成すことはできません。要するに、日本の法律がこれまで行ってきた刑罰の意味を根本からひっくり返すことになるので、刑法全般を全面改正しないと無理ということです。
もともと、法学的・国内法的に根本的に対応不可能な法律を無理やり新設することを条約は求めていません

次に、パレルモ条約が求める規制対象は共謀罪の言う犯罪目的集団の犯罪の共謀だけでなく、違法経済活動、マネーロンダリング、汚職対策と多岐にわたっています
他方、共謀罪法案では汚職対策などの条約が求める批准項目は対象になっていません。本当に共謀罪が条約批准に必要だというのであれば、批准項目はすべて網羅するのが当然です。

更には、パレルモ条約そのものが、テロ対策の条約ではないということです。
前述の批准に必要な主項目の通り、パレルモ条約が想定しているのはマフィアや暴力団のような反社会的勢力による銃器・麻薬・人身売買・マネーロンダリングといった経済犯罪の金銭経済面の規制、つまりは活動資金を絶つことです。
こういった資金がテロ組織にも流れる可能性はあるので副次的にはテロ対策と言えなくもないですが、条約的には反社会勢力の資金を絶つのを目的としている条約です。
そして、テロ対策の条約は別にきちんと設けられております

以上の政府の詭弁を考えたときにふと浮かんだのですが、犯罪組織活動違法経済活動マネーロンダリング汚職や贈収賄、この4つをキーワードに国内事情を考えると、最も身近で最もパレルモ条約の批准のために規制対象となりえる産業があるじゃぁありませんか?ということです。

パチンコ産業ですよ

暴力団が絡んでいると目され、脱税や不正利得の温床と目され、マネーロンダリングにも容易に利用可能、警察と暴力団とパチンコ業界の不正や汚職の可能性をさんざん指摘されている。パレルモ条約批准の最大の障壁は、条約の規制項目を網羅している可能性のあるパチンコ産業なのではないでしょうか?

そう思ったとき、今度は共謀罪を再び考察すると、共謀罪法案が、実は条約批准の法整備ができたと形式上表明しながら、パチンコ産業を守るために行っているスケープゴートなのではないかと思えて来た次第です。
政官財暴の癒着の代表格と目されている巨大権益を守るための共謀罪法案、とみると、妙に腑に落ちる自分がいるのです。

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