勤労統計不正の三重構造

勤労統計不正で大騒ぎですね。

ところで今回の不正についてはニュースではあまり詳しく言われてませんけど、3つの問題点を孕んでいることが見て取れます。

長々と読みたくない人向け要約

全数調査をしなかった不正と統計数値が変わってしまった不正ってのは、理論上、全く別の問題。
調査の不正を隠ぺいするなら統計数値そのものが疑われるような数値不正をする必要がないので、統計操作目的の不正も隠してる可能性がある。
どっちみち歴代政権下の調査数不正よりも現政権下の隠ぺい不正問題がでかすぎて現政権の責任がヤバイ。

一つ目は報道の通り、2004年から続いていた勤労統計の全数調査を不正に簡略化し、3分の1の調査で済ませていた不正です(不正の内容その他はニュース等で報道されていますし、現在進行形なので追加で新たな不正があるかもしれませんので詳細は語りません)。

この点については見抜けず管理監督責任として全うできなかった歴代政権の責任であるといっても不思議ではありません。

二つ目の問題は、その勤労統計不正を隠ぺいする目的で、現政権下で行われた不正指南を記したマニュアルの削除等の隠ぺい工作の問題です。
統計に関する調査を受けるということで現政権における不正報告・虚偽報告・隠ぺい工作ですので当然現政権の管理不行き届きが問われます。

ですが、まぁこの問題点も現政権に過大に責任を追及するほどの問題とも言い切れないです。問題の反面、現政権下でその不正を発見したという功績も考えられますので、この問題だけではそれほど責任論に影響はしません

この点が責任論において著しく影響力を持つようになるのは、三つ目の問題点に絡んだ時です

最後に三つ目ですが、この問題は極大です。

三つ目の問題は統計不正を疑われたきっかけが、去年の1月から『現政権下で統計数値に連続性がないと疑われるほど統計数値が上昇していた』ということです。
報道によれば、調査が3分の1に留まっていたから金額を単純に3倍にした、ということですが、この行為自体が異常です。

この三つ目の問題が本当に隠ぺい目的で行われていたという言い訳が成立するためには、金額を単純に3倍にして統計数値に異常が出るような操作ではなく、同時に全数調査に見えるように『平均値や中央値や総計など統計数値に異常が出ないように水増し』しなければならないということです。
要するに、事実として隠ぺいとは真逆の行為を行っていたということになります。

ここで二つ目の問題点と比較して性格が全く異なる不正の性質が持ち上がります。

元々が統計数値の操作自体を目的として行われた不正である可能性です。

統計不正発覚の契機にもなった現政権での統計の不正操作疑惑こそが、今回の問題が安倍政権に重大な責任となる最大の理由です。
この統計操作が政権側の意向によって行われていればもちろん政権を吹っ飛ばすレベルの不正ですので問題外ですが、仮に官僚側が独自に行っていたとしても統計不正は大臣級の辞任不可避のレベルです。

また、疑惑で終わったとしても統計操作行為そのものが極めて重大なため、管理監督責任には厳然とした責任が残ります。このような稚拙で社会人倫理や職務遂行能力が未熟な官僚が多く存在することが証明されている以上、現状の処分では全く足りません。不正による追加給付による予算額は既に数百億レベルに達している以上、最低でも二桁の懲戒免職や刑事告発ぐらいの処分があってもおかしくないレベルのはずです。

これら疑惑をさらに強化するのが、統計数値の過去の記録が現政権以前で存在しないという報告がなされている点です。きれいさっぱり過ぎて失笑もの。

先の公文書偽造でもそうですが、公文書や統計というのは民主主義国家では国の情報を知り正しい政治を行う上で必要不可欠な情報、人体に例えるなら血液同然のものです。
こういった文書不正が、政治的立場の右左、保守や革新などの主義主張を越えて、日本という民主主義国家そのものを腐敗させ破壊するものであることは疑いようのない事なのです。

それに歯止めをかけられないのであれば、いかなる政権であっても民主主義国家として責任ある与党とは言わないのです。

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