安楽死制度は法治が無ければ正当化できない

二人の医師がALS患者に対する嘱託殺人の容疑で逮捕されました。

個人的には、確かに末期で助かる見込みがなく苦痛による死が目前にあるのであれば、それはそれで個人の選択の自由の一つとしてある程度は認められても良いとは思う。

しかし、逮捕された二人の医師が行った行為はむしろ安楽死制度を侮辱していると考える。

端的に言って殺人と安楽死を隔てるのは『法制度による厳密な法治とそれに基づく厳正な手続き』以外にあり得ない。
その法治と手続きを無視して手前勝手な理屈で行った以上、それは殺人以外の何物でもなく、短絡的理由で実行した行為が称賛されうるべき理由はどこにもない。

こういう法治に拠らない身勝手な理屈を平気で行い、同時にこれは安楽死だと安易に擁護し恣意的な感情によって判断するような社会では安楽死制度は成立しません。
逆説的にこの医師達や擁護者が安楽死制度の成立を否定し、病の苦痛にもがき本当に安楽死を必要とする人たちから選択権を奪っているんだから救えない。

『小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり』とは正にこういうことを言うのだとよくわかる事例ではないでしょうか。

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