有田陶器市・波佐見陶器まつりに行ってきた

有田陶器市・波佐見陶器まつりに行って来ました。

陶器市自体については特に感想はなし。どこにでも売ってある安価な工業生産品が大量にあり、ところどころ高価な職人・芸術作品があるといった程度。値段は相応なので掘り出し物を見つけるのは難易度が高い。期間終盤の投げ売りを狙うほうがどちらかと言えば良いと思う。

それ以外で気になったことが2つほど。

まずは陶器以外の出店、特に飲食系では、素人目にも一目でわかるほど明らかに893筋とのかかわりのある的屋が多かったこと。これは特に有田で顕著でした。だからと言って何か被害があったかと言えばなかったのですが、個人的にあまり良い印象は受けなかった。

次に陶器の産地としての商品に対する価値観・販売戦略について。端的に言えば「技術を安売りしろとは言わないが、対価を求めすぎて出し惜しみするのも逆に裾野を減らす原因になるのではないか」という疑問を持ちました。

安売りの製品は、正直巷にあふれる商品との差別化は難しいレベルなので、特段有田で買う理由はない商品ばかり。逆に高い製品は一般人ほど手が出にくい。

ここで陶器の価値を考えると、他の芸術品と違って比較的使用を前提とした商品が多い上に、使用するに当たっては雑に扱わない限り結構な耐久消費財であることが陶器の特徴だと思う。我が家には30年使い続けてる食器もあるので長期間目にし、手に取るわけだが、長い期間の使用を通じた擦り込みは馬鹿に出来ないと思う。そういった良く触れ、目にするものに芸術的価値があれば芸術的価値観を涵養する有力な素地になりうるはずだ。消費者にそういった感覚的素地が無ければ名産地独特の価値は理解されず、当然一見綺麗に整えられているプリント染色と均一で機械的幾何学さで成形された国外大量生産の工業製品に押し負けるのは当然の帰結なのではないでしょうか。

別の面で有田で消費者目線が足りないと思ったのは、地域の統一ブランドとして作っているカレー皿等の実用面で強さと軽さを売りにしている割に、そういった品質が真に必要とされる乳幼児用食器ではブランド化されているわけでもなく、しかも個々の販売店でそういった配慮を感じさせる商品を見つけられなかったことです。機能面ではせいぜい抗菌性能のあるコーティング程度でした(そもそも陶磁器自体、殺菌消毒をしやすい耐久製品なのでどれだけのアドバンテージがあるかは少し疑問ですが)。

他の素材に比べて重いために落としやすく、子どもの予想外の行動で割れてけがをする可能性の高い陶磁器を乳幼児用に採用するには絶対的に必要な条件であることは、子供のいない私にも思い当たる程度の簡単な事だと思うのですが。また、前述のとおりそういった乳幼児向けに手作り・手作業筆塗の芸術性のある食器で芸術感覚を育てるというのも一つの食育でもあるし、大量生産ではない物との差別化を図る意図を理解できる消費者を養成して裾野を広げることにもつながるはずではないかと思います。

 

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